アースシェルターは、一部または全部を土で覆い地下に空間を作る構造の避難所のことです。屋根や壁を土で覆っている構造が特徴です。多くの場合、構造体の上部(屋根)には植物が植えられていて、二酸化炭素の削減に貢献できるカタチになっています。この構造は、安定した室内気温を維持しやすくすることができるため、冷暖房のエネルギーコストを削減することができます。アースシェルターは、1970年代半ばから、特に環境保護論者の間で提唱されてきた構造体です。世界ではすでにこうした避難所が作られている国もあります。このアースシェルターに、エコシステムを導入することで、この避難所は住居としても十分に機能するものとなります。雨水を利用したり、バイオトイレを設置したりすることで、既存のインフラシステムに頼らない暮らしが実現できます。異常気象がいつ何時にインフラを破壊するかもしれません。公共のインフラを必要としない建物はオフグリッドハウスと言いますが、畑スペースを併設して、食料自給が可能になれば、ライフラインを自給自足するこのシェルターは、独立した最強の人類の住処となりえます。アースシェルターは、現代における社会的常識や価値観を取っ払って、大自然の懐で自給自足することを現実のものにしてくれます。さらに、いわゆるゴミと言われる古タイヤや空きビン、空き缶を建材として使用することで、ゴミをリサイクルし、すでにある資源を有効活用することもできます。「自然環境を破壊しないこと」「エネルギーを削減すること」「資源を有効活用すること」「快適であること」「ファッショナブルであること」これらの条件をすべてクリアするアースシェルターが、今後は、持続可能な循環型社会を実現するカギになるかもしれません。地球温暖化によって急激な自然環境の変化が予想されている今日、「自然災害にも耐える構造物を作るべき」と考える政府の方針とは逆の考え方によって、アースシェルターは成り立っていますので、一般的にはほとんど普及していないのが現実です。しかし、地球に寄り添い、自然と敵対しない関係性を築くことができる持続可能な方法として、今こそアースシェルターを増やしていくべきではないかと私たちは考えています。 |