動物学上の分類では、私たちは「霊長目真猿亜目ヒト上科ヒト科ヒト族」に属する生物です。我々は自分たちのことを人や人間と呼びますが、カタカナで「ヒト」と表記した場合には、生物種としての我々の種(ホモ・サピエンス)を指しています。「人」は単体で、社会的存在として人格を中心に考えた人を指す言葉で、人間という言葉は「人と人の間」と書きますが、人と人のつながりの中にいて社会性を伴った生き物であるという意味がこめられています。多くの動物は生まれたままの姿で一生を過ごし、服を着ることはありません。餌をとらえて生のまま食べます。私たちは、服を着て調理されたものを食べ、家という住環境で生活してますが、一人では生きられない生き物であるということが言えます。私たち人間は一人では生きていけない社会的な動物です。あなたは、そこに存在しているだけで、親や周りの大人から一方的に愛され、色々なものを与えてもらってきたはずです。「あなたはいるだけで価値がある」という言葉がありますが、これは、家族、恋人、友人など、プライベートな人間関係で生まれる価値感です。
世の中に出ると、社会的な人間関係の中で生きていくことになります。世の中はもっと打算的な世界です。多くの人が、まず自分自身が損か得かを考えながら行動しています。見返りを期待せずに誰かに何かを仕上げようとする人はほとんどいません。世の中にはお金という価値基準があります。お金は一つの価値基準ですが、実際に多くの人が物事の価値をお金の価値に置き換えて判断しています。私たちがお金を払って何かを買うのは、「電車よりタクシーの方が速い」とか、「新しいスマホには便利な機能がついているからどうしてもほしい」とか、ヒーローになれた気がするから「仮面ライダーの変身ベルトが欲しい」とか、「友達がかっこいいスニーカーを履いていたから、僕も新しいスニーカーを履いて差をつけられたくない」とか、こんな風にお金を使うときには、何かしらの動機が必ず存在します。なんらかの価値を感じるからお金を払うのであって、価値を感じないものにお金を払う人はいません。社会的な人間関係の中で生まれる価値感は、日常生活の中で生まれる価値基準とは明らかに違うものです。プライベートでの価値観を「存在価値」と言い、社会的な価値観を「機能価値」と言いますが、これらを混同してしまうと、自分は同じことをしているのに、人によって対応が違うので、わけがわからないという感じになります。心が疲れてしまい、ひどい場合にはこれが原因で病気になってしまうこともあります。「存在価値」と「機能価値」は全然違うものだということをしっかりと理解しましょう。
人間社会は、互いに関係しあって、相互に依存する関係で出来上がっています。自分の気分のままに、好き勝手に行動をしていると、周りからはいつまでも子供だなあと見られます。私たちは、他者の気持ちを不愉快にすることもできますし、ハッピーにすることもできます。自分の行動ひとつで、周りの多くの人に何かしらの影響を与えているものです。人は必ず、子供から大人に成長して自立いくわけですが、他者に何かを与える能力(機能)を身につけて、与える側に立つのが大人として自立した状態です。優秀な経営者は、「お客様が欲しい商品を作る」と言います。マイケル・ジャクソンは「ファンが聴きたい歌を歌う」と言います。自分のできることの中で、周りに良い影響を与えられることは何ですか?それを仕事にしたら、きっと多くの人に喜んでもらえます。他者にどれだけハッピーを与えたかによって、お金は集まってくるものです。
人間は、ひとりひとりが周りに影響を与えています。自分が意識していなくても、影響を与えています。不機嫌な顔をしていれば、周りも不愉快な雰囲気になります。笑顔でニコニコしていれば、それだけで、周りもいい雰囲気になります。自分自身が常に周りに影響を与え続けていることを理解しましょう。言葉だけでなく、態度や表情もとても大切です。
大人の中にも、悩みを抱えている人がたくさんいます。自分が好きなことをやっているのに、社会で評価されないとか、うまくいかないといって悩んでいる人が多くいます。前述したように、「存在価値」と「機能価値」は全然違うものです。仕事はお金を基準にした価値観ですから、周りから評価されなければやる気もなくなりますし、何より自分自身がハッピーでなくなります。仕事をしていくためには、自分が好きなこと、ただ自分がやりたいことを仕事にするべきではありません。自分ができることの中で、他者にプラスの影響を与えられることを探してそれを仕事にするようにしましょう。
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